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(一社)古河青年会議所WEBサイト



理事長所信 2025年度理事長 髙橋 拓也

【はじめに】

古河青年会議所は、1979年に創立以来45年間の先輩諸氏の想いが受け継がれ、2025年で46年目を迎えます。2020年から猛威を振るっていた新型コロナウイルス感染症が収束するとほぼ同時に記録的な円安、年々激甚化する自然災害と、先の見えない社会情勢となっています。物事の価値観や、生活スタイルをも大きく変えたこの数年間により、当たり前と考えていたことすらも当たり前ではなくなり、物事やルールの変化はDX・ICTといった情報通信技術の発達により一層速くなりました。

目まぐるしく発達している時代ですが、いつの時代においても大切なものは不変であり、家族・会社・地域において最も重要なのは、「人」です。この時代だからこそ、改めて私たちの地域の人々に寄添い、共に未来を構想する必要があります。

1949年、戦後の社会的・経済的混乱を打開すべく「新日本の再建は我々の使命である」と掲げ東京青年商工会議所が発端となり青年会議所運動は始まりました。今の状況は戦後の焼け野原から先輩諸氏が新しい時代を切り拓いてきた時代とは異なりますが、立ち上がった先輩諸氏の精神と同じように心を燃やし、私たちが新しい未来を切り拓いていかなければなりません。

今日も世界各地のメンバーが各々のまちをより良いまちへ導くために活動を行っています。私たちの住む古河をより良いまちに、そして古河青年会議所をより良い組織とするには、まずは私たち会員各々が襟を正し、高みを目指し、旗を振り、社会や地域を先導することが重要です。

【2025年度重点事項】

1.人と人とが支え合うまちづくり
2.地域の担い手の育成
3.組織力の向上
4.人材育成~LOMの推進

1.人と人とが支え合うまちづくり

まちは、そこに住む人の意識以上には良くなりません。まちを知り、まちの未来を考え、そして、まちを愛する人が増えることで、必ずより良いまちが創造できると信じています。私たちのまち古河は茨城の小京都といわれ、歴史文化によく着目されますが、それだけではありません。地理的に恵まれ城下町や宿場町として栄えた古河が大政奉還後も豊かなまちであり続けた理由、それは住み暮らす私たちが培ってきた「自治力」であり、「自治力」を支えてきたものは紛れもなく人と人とのつながりや支え合いです。

私たちが小さな頃耳にした、地域の子どもたちは地域で育むという考え方は住民自治の最たる例と言えます。厚生労働省が「つながり・支え合いのある地域共生社会」をテーマに発表した2024年厚生労働白書によると、孤独感が「常にある」と評価されたのは20代の男性で20.9%、同じく女性で20.9%となっており、社会と接点が多いはずの現役世代で年々孤独感が強くなっているとの報告がなされました。つまりは社会の根幹を担う「自治力」を支えてきた人と人とのつながりが希薄となり、その傾向が顕著となっていることがわかります。

次代に向けたつよいまちの実現のため、住み暮らすまちの人々が改めてつながりの大切さに気づき、「自治力」をさらに高めるきっかけとなる運動を展開していくことが重要です。また、「自治力」は災害が起こった場合に真価を発揮します。近年の洪水というと、記憶に新しいのが鬼怒川の決壊を招いた2015年9月の関東東北豪雨と、那珂川・久慈川の決壊を招いた2019年台風19号です。この台風19号では、とにかくこれまでにないような雨が降りました。流域総雨量をみると、利根川五大洪水の一つ1947年カスリーン台風では3日間降り続いた雨の流域平均雨量が309ミリだったのに対し、台風19号では1日で流域平均雨量が310ミリと、ほぼ同じぐらいの雨が1日で降ってしまったのです。私たちの住む古河市中田地点の利根川では溢水まであと60cm というところまで迫りました。

どれほど自然災害が激甚化してきているのかがわかります。長年にわたって大きな災害被害に見舞われていない古河市だからこそ防災意識を再度醸成し、災害が発生したときにいち早く支援活動が実施できるよう、古河青年会議所のネットワークを活かしたタイムラインの構築、会員間の連携をどうおこなうか等、来るべき時に備える必要があります。

人と人の心組みを大切に、誰もが安心して生きられる「心づよいまち古河」を目指し、まちの未来を考える機会を提供してまいります。

2.地域の担い手の育成

世界的に、人・もの・情報が国境を越えて行き交うグローバル化が急速に進み、言語や文化的な背景、価値観が異なる人々と交流の機会が急増しています。古河市においても過言ではなく、私の子どもが通う学校にも外国のお子さんが多くなってきています。次代を担う子どもたちが世界中の人々と共生していくために、ノンバーバルでのコミュニケーションスキル、多様な文化・価値観・個性を理解し尊重する姿勢や、グローバルな視点で課題解決に向けて取り組んでいく力を身に付ける必要性が高まっています。

子どもたちの持つ思いやりあふれる豊かな精神性で、それぞれの風土や伝統、文化や宗教などの多様な価値観を受け止め、世界の子どもたちが共通の未来を想い描くことのできる関係性を築くことで、次代を担う子どもたちの笑顔あふれる明るい未来が切り拓かれると信じています。今後も目まぐるしく変化していく社会を見据え、青年会議所のネットワークを生かし、子どもたちが将来グローバル社会をたくましく生きていくために、子どもたちの国際化実現に向けての一歩を踏み出さなければなりません。

3.組織力の向上

私たちの運動・活動は、40歳までという限られた時間のあるものですが、その期間中に出会える成長の機会は多岐にわたります。様々な出会いにより人は磨かれ、会員の成長と運動の発展が組織の価値を向上させ、組織の拡大へと導いてくれると確信しています。

青年会議所しかない時代から、青年会議所もある時代となり、社会から私たちを選んでもらわなければなりません。まずは、私たち会員一人ひとりが、青年会議所だからすべきこと、青年会議所だからできることを考え、私たちの運動への共感と協働を促し、活動を通して様々な学びの機会や自己研鑽の機会の提供から、同じ志を持ったリーダーを育成することで、地域により良い影響をもたらす組織へ成長する必要があります。

また、私たちが活動を行う上で、家族・会社・地域の理解が必要不可欠です。運動・活動内容の発信や報告だけではなく、運動・活動への理解を深め、共感を生み、地域からも家族からも応援してもらえるような魅力的かつ戦略的な情報発信を継続して行うことが重要です。

4.人材育成~LOMの推進

私たち青年会議所を構成する原点は「人」であり、人こそが最も重要な要素です。人同士の心の繋がりが幾重にも組み合わさることで社会は成り立っています。古河青年会議所には、先輩諸氏との強固な繋がりをはじめ、現在の会員同士の繋がり、さらには、各地会員会議所といった青年会議所を通しての無限の人との繋がりがあります。先輩諸氏から継承した伝統を未来への懸け橋として、人と人との心組みを大切に、私たちだからこそ見える次代へと繋げてまいります。会員同士は敬意を持ち、ときに励まし合い、ときに助け合い、協働することで、共に高みへと向かえるよう活動に邁進し、リーダーとしての成長を遂げ、古河青年会議所の未来への力強いステップへと繋げます。

社会はこれまで多様に進化を遂げてきました。その過程は、小さな変化や大きな変化の繰り返しの中で、淘汰され、新しく生まれ変わることの連続です。その過程を経ながら、私たちは今、恵まれたこの時代で生かされています。組織には、変化に伴いやめるべきこと、変わらず継続すべきこと、新しく変化すべきものが存在します。変化は存続するための重要な戦略であり、今後の継続を視野に入れ、変化を恐れてはなりません。

【最後に】

この所信は組織として方向性を示す羅針盤であり、実際に船をこぐのはみなさんです。こんなことをしてもなにも変わらない。こんなに一生懸命やっていても、まちに響いているのか。そんな不安があるかもしれません。みなさんは自分の意志で入会され、青年会議所の運動・活動を通して何か自分の人生の肥やしになればと少なからず目的をもって入会されたことと思います。

青年会議所を卒業したあと、どのような人生を歩みたいと考えているでしょうか。限られた青年会議所活動の中で、なにを学びなにを得て、どんな人間になっていきたいのか。現状把握や自己分析といった己を知ることをしっかりと行い、己に素直で謙虚な生き方をすることが重要です。私たちが理想とする未来像は一人ひとりが当事者意識を持って、まちの未来ひいては自分の未来を明るくするために起こした行動によって創造されます。

修練・奉仕・友情を三信条として掲げる青年会議所での活動を通して、どんな荒波にもまれようが自分の人生という船旅を全うできる人になってください。会員の成長こそがまちの成長に繋がると私は確信しています。

私は地域社会に必要とされ、心のよりどころとなるような存在になりたい。土木技術者の師(青山士)が言っていた、「生まれてきた時より少しでも世の中をよくして死にたい」という心持ちで地域社会のお役に立つ新しい価値を見出すことが、私たちリーダーの心意気ではないでしょうか。

Wealthy Heart
~ 心豊かに 心をつなぐ ~

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